はやしばら有限会社は、庵治石・大島石などの国産石材から海外の石材まで取扱を行っております石材総合商社です。
時代は高度成長期、右肩上がりの売って売って売りまくる時代に、大手石材商社で14年間営業を経験し、今となっては良い面も悪い面も勉強させていただきました。
そんな私が、自分の生涯を賭けて取り組むべき『価値』のある商品に出会ったのが、今から7年前でした。
取引先である米国のロック・オブ・エイジズ社に紹介され、ケンタッキー州にある石材会社を視察に訪れた時のこと。当時、アメリカの石材業界も大きな淘汰の中にあり、大別すると2つの流れとなっていました。ひとつは安価で大量に販売する形態。もうひとつは、1件1件お客様と向き合い、お客様の立場で、お客様と共にお墓を作り上げていく形態でした。
私は、後者の形態に属する『ファントーニ』という彫刻技術を駆使して、販売を拡張している会社のトップセーラーに、霊園を案内されました。
「これが僕の販売したお墓だ」と、得意げに彼は言いました。
見ると、その墓石には3本の薔薇が彫られていました。1本の茎は途中で折れ、つぼみは頭を垂れています。
「これは何の意味ですか?アメリカでは、薔薇の花は家族の愛を表すと聞いていますが・・・」そう問いかける私に、彼は答えてくれました。
「実はこちらのご家族は、昨年交通事故で息子さんを亡くされたんです。ご家族はこのお墓をお参りするたび、ご家族の幸せな日々を想い出し、楽しい事があった時はもちろん、苦しい時辛い時には必ずこの場所へ来られるそうです」
その言葉を聞いて、私は胸が熱くなると同時に、目から鱗がぼろぼろと落ちていく思いがしました。ひとつひとつのお墓は、それぞれの家族の深い想いが込められた、かけがえのない場所なのだ・・・と、その時、私は改めて気付かされたのです。
この出来事が、『ファントーニ』という商品の販売を手がけるキッカケとなりました。
あれから7年の歳月が流れました。ゼロからスタートした『ファントーニ』事業も、今では西日本各地に『関西ファントーニグループ』の仲間が何社も出来るようになりました。
私の人生で、売って売って売りまくった時代も大事な青春でしたが、このような"想い"を、メーカーの方々や小売店の皆様と一緒になって、エンドユーザー(お施主様)の為に具現化することにより、お客様と共に成長・発展し、石という素晴らしい素材を通して、この世の中で失いかけている本物の何かを、新しく造っていかなければならないと感じたのであります。
(代表取締役社長 林原克嘉)
3本の薔薇